科学的な根拠を元にした資料から、難しい言葉と無駄を省き、わかりやすく伝えていきます。
集中力のメカニズム
集中力の源
集中力の源は前頭葉にあるウィルパワーと呼ばれるものです。
記憶力には容量があるように、集中力にも容量があるのです。
ウィルパワーの容量が大きいほど、集中時間が長くなり集中しやすくなります。
このウィルパワーは鍛えて容量を増やすこともできるし、節約して集中時間を長くすることもできます。
集中力を鍛える
ウィルパワーを鍛えるには、無意識の行動を自覚することです。
よくデスクワークなどで自然と姿勢が崩れたりしませんか?
無意識のうちにどんどん崩れていくのですが、それを日常的に意識してみましょう。
意識していると、姿勢が崩れそうになったときに「ハッ!」と気づきます。
そうやって“無意識”のことに意識を集中させることでウィルパワーは鍛えられます。
ほかにもお箸を利き手ではない手で持つなどすることで、ウィルパワーを鍛えることができます。
集中力を節約する
ウィルパワーというのはあらゆる場面で無意識のうちに消費されるものです。
たとえば「今からなにをしよう」「今日のお昼は何を食べよう」など、何かを考えたり意思決定をするだけで消費されてしまいます。
では、具体的にどうやってウィルパワーを節約するかというと、話は簡単です。
それは行動を習慣化することです。
たとえばみなさんはご飯を食べるとき、お箸で食べますよね?
「ここを持って、人差し指を動かして」なんてことは考えないでしょう。
そうやって習慣化して意思決定を減らすことで、無駄なウィルパワーを使うことなく節約することができます。
集中力を高める
環境を整える
整理
部屋が散らかっていると、物が視界に入り集中の妨げになります。
ですのでまずはその場の環境を整えましょう。
必要なもの以外はすべて引き出しにしまうなどして、視界から消しましょう。
また、スマホは一番危険です。
人は「よしやるぞ!」と集中し始める時に一番多くのウィルパワーを使います。
もしそのタイミングで通知や電話などが来ると一気に集中力を失います。
よくLEDランプが光るだけの通知もありますが、それも視界に入るとダメなので、スマホは完全に隔離しましょう。
色
色には感情をコントロールする効果や、能力を引き出す効果があります。
集中力を高める色は水色です。
水色には、集中力を高めて体感時間を短くする効果があるので、仕事や勉強とは相性が良い。
具体的にどこに使うかというと、視界に入るデスクの小物がいいでしょう。
ペン立てなどは比較的容易に導入できるかと思います。
また、水色のパソコンを使うと同様の効果が見込めるという人もいるので、余裕があれば検討してみてはいかがでしょうか。
匂い
色と同様に、匂いにもさまざまな能力を向上させる効果があります。
・ローズマリー
血流を良くし、ウィルパワーを回復させる
・ペパーミント
俊敏性と集中力を高め、疲労回復や眠気改善効果もある
・シナモン
認知能力と記憶力を高める
集中したいときにはペパーミントの芳香剤などを置くといいでしょう。
しかしここで注意したいのが、芳香剤が視界に入ると集中の妨げになるので、できれば視界に入らない位置に置きましょう。
行動で高める
姿勢を良くする
ウィルパワーを司る前頭葉のエネルギーはブドウ糖と酸素です。
それを送り届ける役目が血流なので、血流を良くすることはウィルパワーを回復させることにつながります。
デスクワークなどでは姿勢を保てず背筋が曲がってしまったりしがちです。
そこで、姿勢を意識して、常に腰を延ばして姿勢を良くすることで血流が改善されます。
それを意識することにより、ウィルパワーを鍛えることにもなりますので、ぜひやってみてください。
スタンディングワーク
立っているときには集中力や認知能力があがるという研究結果があります。
逆に、座る時間が長いほど死亡のリスクが高まるともいわれています。
座るメリットはあまりないので、できることなら立って作業をするといいでしょう。
また、体を動かしながら何かをすることで記憶力もあがるので、歩きながらの作業もいいかもしれません。
運動をする
20分程度の軽い運動をしたあとの3~4時間の間は認知能力・集中力・考察力があがるとされています。
運動をすることで脳の血流がよくなり、ドーパミンが放出されるからです。
あくまで“軽い運動”であって、激しい運動は逆に眠くなったりして集中できなくなるので避けましょう。
食事で高める
低GI食品
GI(Glycemic Index)とは、食後2時間の血糖値がどのように上昇していくかを示す指標です。
低GIは血糖値がゆっくり徐々に上がるのに対し、高GIは急激に血糖値が上がります。
血糖値には急激に上がると、急激に下がるという性質があります。
血糖値が下がると眠くなってしまいますので、そこで集中力を切らせてしまいます。
そこでおすすめなのが、朝に低GI食品を食べ、血糖値が下がる2時間後より少し前におやつを食べることです。
そうすることで集中力を保てます。
おすすめはナッツ類。
ナッツ類には亜鉛・葉酸・オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸・ビタミンE・ビタミンB6などの集中力・思考力などを高める成分が含まれています。
また、炭水化物が少なく、たんぱく質が豊富に含まれているので、ナッツ類はまさに理想的なおやつなのです。
低GI | 高GI |
ヨーグルト | 白米 |
リンゴ | カボチャ |
チーズ | せんべい |
全粒粉パン | パン |
そば | パスタ |
水を飲む
人は水分を摂らないと、記憶力や集中力が下がります。
特に夏場は深刻で、実は夏場の集中力の低下は暑さよりも水分不足からくるものが大きいようです。
では、具体的にどのくらいの水を飲めばいいかというと
1~2時間の間にコップ1杯の水を飲むのがベストです。
水を飲まないと滑舌も悪くなるなど、いろんな悪影響があるので、普段から水を飲む習慣を身につけましょう。
若いころにこの習慣がないと、大人になってからいざ飲もうと思ってもなかなか飲めなくなります。
まとめ
集中といっても、集中力のあげ方はさまざまです。
人によって合う合わないがあったり、ウィルパワーの上限が違ったりします。
しかし、それらは筋肉と同じで鍛えることができるので、「自分は集中力がない」とあきらめずに色んな方法を試してみましょう。
集中力を味方にできれば人生が変わります!
今日からぜひ集中というものを意識してみましょう!